photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/6/10(火)

楽しさ再発見

  • 緯度:N 12度 53分
  • 経度:W 75度 35分
  • 天気:晴れ
  • 気温:28.0 度
  • 速力:13.9
  • 海域:カリブ海
  • 寄港地:終日航海日

どれだけ乗っても新たな発見があるのが「飛鳥Ⅱ」の魅力。世界一周72日目のきょう、そんなことを改めて思いました。午前中に「おや?」と思ったのは、朝食ビュッフェが終わって人もまばらなはずのリドカフェを巡って歩くお客様の一団です。しかも、ふだんは寄港地観光ツアーに使うはずのイヤホンガイドをどなたも耳に嵌めています。

グループの中心にいたのは、日本工芸会正会員の陶芸作家・神農巌さん。重要無形文化財「青磁」保持者(人間国宝)に認定された先生です。昨日の講演「事に仕えて思うこと」に続くギャラリーツアーを船内で開催し、船内各所に飾られた作品をめぐって多様な陶芸の魅力を解説してくれました。六古窯の話、秀吉の朝鮮出兵のあとに陶工が連れてこられた話などにもお客様は興味津々。

この日は風が強めで海には白波が立っていたものの、天気は快晴。陽気なカリブの雰囲気が続いています。そんなクルーズにふさわしい優しくリズミカルな音色を奏でてくれたのが、夜のギャラクシーラウンジのショー「石原慎之助 Le Cinema 〜マリンバが描く音の虹 極上の映画音楽の調べ〜」。何本ものマレットを同時に駆使する巧みな演奏に、どなたも惹き込まれたことでしょう。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。