photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

25日ぶりに北半球へ

  • 緯度:S 2度 9分
  • 経度:E 152度 44分
  • 天気:晴れ
  • 気温:30.0 度
  • 速力:17.5 ノット
  • 海域:太平洋
  • 寄港地:終日航海日

毎朝の日課となっている航路図の確認。オーストラリアとニュージーランドを経由して釣り針のような航路を描いていた「飛鳥Ⅱ」は、ソロモン諸島を抜けて往路と並航する形に。「あと1週間くらい?普通の旅行だったら1週間でも長いけれど……」とは、船内で知り合ったと思しきお客様同士の会話。きっと多くのお客様も同じ気持ちでいることでしょう。

もっとも、平穏な時間が流れるグアムまでの長い終日航海は、旅のフィナーレへの準備期間のようなもの。残りの航海中にも多くのイベントが用意されているそうなので、日々楽しみたいと思います。明日は今航2回目のデッキディナーを開催予定。本日が最終回となるタヒチアンダンスの教室では、明日の本番を想定した最終調整を余念なく行っていました。

一夜限りのスペシャルイベント・お客様有志によるかくし芸発表会が和やかに幕を開けたその直前、20時33分に「飛鳥Ⅱ」は赤道を通過。1月26日以来、25日ぶりに北半球へと戻ってきました。12デッキから眺めた海景は素っ気のない漆黒に包まれていましたが、またいつの日かとの願いを込めて、南半球に向かってぱちりとシャッターを切りました。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。