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飛鳥Ⅱ

2025/4/3(木)

千住真理子さんのコンサート

  • 緯度:N 24度 35分
  • 経度:E 124度 59分
  • 天気:曇り
  • 気温:22.0 度
  • 速力:18.7 ノット
  • 海域:太平洋
  • 寄港地:終日航海日

朝、目覚めるとキャビンの窓から明るい日が差していました。海の景色はまだ白く霞んでいるものの、ようやく晴れ間が見えてきました。午前10時半ごろには宮古島の東平安名崎(ひがしへんなざき)を右舷に望み、「飛鳥Ⅱ」は着々と南西へ向かっています。おぼろげに浮かぶ島影を確認できた頃、船内のハリウッドシアターでは第8代船長・中村大輔キャプテンによる講演がありました。

タイトルは『客船余話 船の言葉を使いましょう』。例えば客船では右舷側をスターボードと呼びますが、これはバイキングの時代、船にはまだ舵がなく、“ステアリングオール”を右舷側の海に差し込んで操船したことに由来するそうです。ステアリングサイド(舵取り側)が訛ってスターボード。なんと「星」とは無関係。他にも各国で違う「忌み数」や、客船の総トン数は重さではなく「容積」だとか。

午前中にそんな客船好きのお客様もうなる講演があったことだし、晩のショーもさぞかし……と期待された方も多いでしょう。まさしくその通り。今宵のショーは、『千住真理子 デビュー50周年記念 ヴァオイリンリサイタル 〜第一夜〜』。まるで絹糸のような繊細な音から力強い演奏まで、滑らかに、自由自在に楽器を操る千住さんの演奏に、どなたも聞き惚れたことでしょう。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。