飛鳥Ⅱ
2025/5/26(月)
2025年世界一周クルーズ(66)
達人たちの競演
- 緯度:N 43度 49分
- 経度:W 18度 35分
- 天気:晴れ
- 気温:17.0 度
- 速力:17.3
- 海域:大西洋
- 寄港地:終日航海日

大西洋横断、中8日の航海の3日目。イギリスのティルベリーからまた新たな講師やエンターテイナーが乗り込んできて、船内が一段と華やかになってきました。船内新聞『アスカデイリー』のスケジュール表には、各種教室が以前にも増してぎゅっと詰まって並んでいます。きょうの朝一番、まずはそんな中のひとつ、竹細工教室・武関翠篁(ぶせき すいこう)先生の講演にお邪魔しました。
先生は日本工芸会の正会員であり祖父から3代続く竹工芸の作家。珍しい苗字が想わせる通り往時は武士の家柄で、明治以後も武士の心である刀を捨てず、刀から作り替えた道具で竹工芸の道へ進んだのだとか。「情熱を大切にし、作品には必ず想いを込めたタイトルをつける」という武関先生が、明日以降、コンパスルームで竹細工教室を催してくれるというから楽しみです。
そして今宵は久しぶりのフォーマルナイト。男性はタキシード姿が多く、また女性は華やかなドレスのほか、素敵な和服で臨んだ方もいらっしゃいました。ディナーのあとは大西洋横断中の優雅な夜にふさわしく、ペーター・ヴェヒター&後藤泉のおふたりによる『ヴァイオリンとピアノのデュオコンサート』。道を極める達人たちの魅力に触れた、実り多き一日でした。



著者紹介/高橋 敦史
1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。