photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/5/27(火)

朝のクジラと竹細工

  • 緯度:N 41度 26分
  • 経度:W 27度 39分
  • 天気:曇り
  • 気温:19.5 度
  • 速力:17.2
  • 海域:大西洋
  • 寄港地:終日航海日

なんのことやらというタイトルですが、これも世界一周103日間の幅広さだと思います。今朝も8時50分にキャプテンによる定時の航海情報……と思ったら、普段より微妙に早く放送がかかりました。「若干早いのですが、いま左舷前方にクジラが見えまして」。慌ててカメラを掴み、撮影設定もままならない状態でシャッターを押したのですが、運よく大きな背中を捉えることができました。

さて、そんな驚きで始まった朝。昨日からチェックしていたのは10時からコンパスルームで始まる武関翠篁(ぶせき すいこう)先生の「竹工芸 〜四海波花籠作り〜」教室です。所要1時間と手軽ながらも本格的な花籠が完成するとあって、興味津々のお客様がお集まりになりました。特に大切な土台部分はすでに編まれた状態から始めるので、その点でも安心です。

先生は、まさにお人柄が滲む穏やかな語り口。竹の表裏を交互に編むことを「つるつる、ざらざら」という言い方にしてゆっくり説明してくれるので、どなたも上手に取り組めます。弾性のある素材ゆえ、逆らうことなく編むのも大事。「きょうは竹と会話していただく日であって、皆様にとっては第1号の作品を作った日です」。記念すべき第1号に、どなたもご満悦のご様子でした。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。