photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/6/9(月)

いつもニコニコ、囲碁講師

  • 緯度:N 18度 23分
  • 経度:W 75度 15分
  • 天気:晴れ
  • 気温:30.0 度
  • 速力:13.8
  • 海域:カリブ海
  • 寄港地:終日航海日

きょうもカリブ海を航行中の「飛鳥Ⅱ」。天気は少し変わって朝は霧がちの晴れ。青い海にはこの海域特有のサルガッソー藻が点々と浮かんでいて、船の後方へと流れ去ります。そんな1日の始まり、朝9時からの「囲碁教室(入門)」にお邪魔しました。囲碁教室はこの世界一周中に3人の講師がリレー形式で担当。いまは2人目の、林子淵(リン・シエン)先生です。

いつもニコニコ、笑顔が印象的な林先生は台湾出身の棋士。日本在住歴がとても長く、日本語もペラペラです。曰く、「次が考えられたら次の次、そのまた次へと、5手読みができたら立派な棋士です」「『待った!』はプロはできませんから」「入門の基本形、これを覚えれば皆様ハッピーになれますよ」。ふつうに喋っているだけでも常々教室中に笑いが巻き起こるのは、先生の人柄ゆえでしょう。

囲碁用語でいう“アタリ”を掛け続ける「シチョウ」の解説のあと、後半は「ペア碁」の時間。敵味方ともふたりひと組になって、ひとつの盤上で戦います。「ペア碁は勝ったら喜び2倍、負けたら仲間のせいにできますからね」。そんな冗談で始まった実戦は和気あいあい。林先生が各テーブルを回り、しゃがんで丁寧に説明するたびにお客様の笑顔が弾ける、楽しさいっぱいの教室でした。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。