photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2024/5/7(火)

ダカールの砂漠の沖で

  • 緯度:N 12度 20分
  • 経度:W 17度 36分
  • 天気:晴れ
  • 気温:24.0 度
  • 速力:17.2 ノット
  • 海域:大西洋
  • 寄港地:終日航海日

世界一周中は毎朝8時50分に田口稔キャプテンによる船内放送があり、その日の気温や海水温、航海情報、船旅に関するトピックなどを教えてくれます。これを聞くことがひとつの日課と言ってもいいでしょう。きょうその放送で聞いたのは、「日の暮れた夜8時半ごろに『飛鳥Ⅱ』はダカールのベルデ岬を右舷に望む」ということでした。

ダカールを世界的に有名にしたものといえば1978年に始まったパリ・ダカールラリー、通称「パリ・ダカ」。過酷なサハラ砂漠を車やバイクで走破した末の当時のゴールがダカールでした。西アフリカ沖を船が北上する今、遠くに来たという素直な感想に加え、きょうのスケジュールはもしやパリ・ダカを意識……はしていないよなあ、と、ふと思いました。

というのも、フランスの国民的歌手・クレモンティーヌさんが午後にパームコートで吐息混じりの美声で歌い(写真左下)、夜のギャラクシーラウンジではMASAさんが『砂で紡ぐ物語 第二夜』として『SWAN LAKE』を題材にした長編サンドアートを披露(同右下)してくれたからです。砂漠とヨーロッパを結ぶ今をも感じる、素敵な演目が続いた一日でした。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。
2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。