毎朝の日課のひとつになった船内新聞『アスカデイリー』のチェック。本日分には「赤道通過時刻予想クイズ」なる用紙が挟まれていました。日常生活ではほぼ無縁の「赤道」という言葉に思わずドキリ。もうそんなところまで来たのかという少しの驚きとともに、過ぎ去った旅の時間に早くも思いをはせてしまいました。

「横浜を出港してちょうど1週間。心も体も少しお疲れになられてはいないでしょうか？」との声がけから始まったのは書家・桜風さんの書道教室。船上で筆を運ぶだけでも非日常な体験ですが、こちらの教室の特徴は瞑想もセットであること。心を整えたなかで書した一筆は、より特別なものとなったのではないでしょうか。

日中にはオープンデッキでアクティビティを楽しむ姿も見られましたが、徐々に風雨が強まるとその姿もまばらに。人の少ない船首から空を見上げると、風に乗って数羽の海鳥が飛び回っていました。身ひとつで自由に大海を飛ぶ姿につい憧れを抱いてしまうのは、旅人の悪い癖。そんな人の心など知る由もなく、海鳥はしばし「飛鳥Ⅱ」と戯れているのでした。