photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/4/23(水)

アフリカ最南端の岬を回る

  • 緯度:S 34度 57分
  • 経度:E 20度 15分
  • 天気:晴れ
  • 気温:18.0 度
  • 速力:17.7 ノット
  • 海域:インド洋
  • 寄港地:終日航海日

日本を発って3週間と少し、「飛鳥Ⅱ」は着々と世界一周の航路を進んできています。ケープタウンへの入港を明日に控えたきょうは、ついにアフリカ大陸の最南端を回り込む日。朝のキャプテンの放送でも案内があり、「本日12時ごろにアフリカ最南端のアグラス岬、午後2時半ごろには航路が今航最南端となり、午後5時半には喜望峰が見えてくる予定です」とのことでした。

最近は晴れた日が多く、海も空もきれいな青色ばかりです。お昼時にプールサイドのひとつ上、12デッキに出てみると、少し霞んだなかでもアグラス岬がはっきりと見えました。デッキに出ているお客様が多くいて、「楽しいクルーズで毎日があっという間に過ぎるけれど、気づけば、ずいぶん遠くに来たものね」という声も聞こえてきました。

そして夕方、水平線が眩い黄色に染まる中、有名な喜望峰が見えました。これを何とか日中に望めるようにと、「飛鳥Ⅱ」はここまで少し駆け足で進んできたようです。その甲斐あって、見えた喜望峰の何と美しいこと! 幾重にも連なる尾根が見事なシルエットで水平線に浮かんでいます。夕日の輝きもこの日は格別。船首の先へと沈む様子に、夢中でシャッターを切りました。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。