photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2024/7/13(土)

100日間で世界一周

  • 緯度:N 35度 27分
  • 経度:E 139度 39分
  • 天気:曇り
  • 気温:30.0 度
  • 速力:16.1 ノット
  • 海域:-
  • 寄港地:横浜

早朝に目を覚ますとスマートフォンについに日本の電波が届くようになっていて、いよいよ故郷の陸地が近づいたことを実感しました。午前5時過ぎには「飛鳥Ⅱ」は房総半島の洲崎を右舷に望みながら東京湾へ。タンカーや貨物船が前にも後ろにもいて、ここが海の大動脈だと気づきます。船旅ならではの感慨は、下船間際まであるものです。

富津沖でお客様に「あの小さな島は何ですか?」と尋ねられたのは、かつての要塞・第二海堡。それを機に何人かのお客様とこの世界一周がいい旅だったかを振り返り、そうこうするうちに船は横浜ベイブリッジをくぐり抜け、タグボートの助力を得ながら横浜大さん橋を前に転回。いよいよ接岸態勢になりました。

7デッキに行くと、アスカオーケストラの演奏が響きシャボン玉が舞う入港パーティーが始まっていました。船上で知り合った仲間にお礼を言ったり、桟橋にいるご家族・ご友人ほかたくさんの人たちに手を振ったり……。無事接岸し、東日本のお客様はこれで世界一周クルーズが完結です。「飛鳥Ⅱ」は14時には出港して、今航最後の港・神戸港へと向かっています。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。
2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。