Person 02

  • 田口 稔
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    飛鳥クルーズ第14代船長

    田口 稔

    Minoru Taguchi

仲間との相互理解の上に
「最幸の時間」を現実にする。

洋上で共に働く仲間として、
互いを理解する努力を。

私はこれまで主に貨物船で海と陸の両方から船に関わる仕事に携わって参りました。船の種類を問わず船長という仕事は船の運航に関わる最高責任者であり、船全体の安全を確保するべく常に気が抜けません。そのためには、自分の認識や意図を相手のバックグラウンドを考慮しつつきちんと「言葉で伝える」ことです。社会が多様化していく中、価値観も人それぞれで、「言わなくてもわかる」では通用しないことばかりです。できる限り情報共有を密にすることで、クルーの意識が向上し、お客様へのサービス効率も格段に良くなります。限られた洋上空間で長時間共に働く仲間として、互いを理解する努力は怠らないことは非常に大事だと痛感をしています。

ケープタウン写真

ケープタウン

澄んだ空気の中、
水平線にまたたく緑色の閃光。

飛鳥の船上から体験した感動のシーンとして、最も印象的なのは「グリーンフラッシュ」です。これは太陽が沈む直前に緑色の光が一瞬輝く現象のことで、発生にはさまざまな気象条件が必要であるため、私も長い乗船経験の中で2、3回しか体験していません。澄んだ空気の中で真っ赤に染まる太陽が、水平線に沈むほんの一瞬、対照的な緑色にまたたく光景は本当に美しく、今も目に焼き付いて離れません。最も好きな寄港地は、ケープタウンです。壮大なテーブルマウンテン麓の半島部に位置し、クルーも休憩時間にロープウェイで簡単に山頂へ登ることができました。ケープタウンの街並み、賑やかな港、コバルトブルーの海を一望し、この上なく晴れやかな気持ちになったことを覚えています。他にも、大型船でなければ訪れることのできないポイントとして、日本最南端の沖ノ鳥島や、伊豆諸島の孀婦(そうふ)岩なども思い入れ深いです。

業務中の写真

クルー全員が、同じ気持ちで
飛鳥クルーズの未来を切り拓く。

総指揮官として、運航部門におけるオペレーション手順や留意事項に関する情報を共有すること、そしてそれらをマニュアル化し、マニュアルに基づく作業実施を習慣化することは必須の使命として取り組んでいきたいと考えています。また接客部門においても情報共有やマニュアル化が重要ですが、「最幸の時間」をご提供するためには紋切型のオペレーションでは成り立ちません。そのために重要となるのが、クルーやお客様との密なコミュニケーションです。数年後には新造客船就航も控えていますが、空間の快適性や機能面といったハードの進化はもちろんのこと、オペレーションやサービスなどのソフト面も同様に進化していかなければならないと考えています。お客様に満足を超える充足を感じていただき、そしてこれからも今までと変わりない「本物の感動」をお届けするために、クルー全員が相互に理解し合い、同じ気持ちで飛鳥クルーズの未来を切り拓いていきたいと思います。