今日は、マルタ島のバレッタに寄港上陸した。マルタは、イスラム船団とキリスト教軍が激突した攻防戦で有名である。高くて厚い城壁が島を取り囲む形で残っていて、その市街は世界遺産に登録されている。 キリスト教側はロードスで戦った聖ヨハネ騎士団が名をマルタ騎士団と変え、中心勢力となった。ヨーロッパ中の王侯貴族の子弟が中心で、その財力は莫大なものであったという。バレッタの大聖堂を見ると、彼らの精神の強さと底知れぬ財力とを理解できる。飛鳥IIの皆さんも、その美しさ、荘厳さに圧倒されていた。
著者紹介 小泉 澄夫 1934年生まれ。写真家、日本写真芸術学会会員、世界遺産フォーラム主宰。 「日本人の心」をテーマに風景写真を30年以上撮り続けている。ここ15年は、ヨーロッパ・北米大陸・中国を中心に世界各地の世界遺産の写真撮影や、講演活動、執筆活動を行っている。本フォトエッセイの連載は「2008年オセアニア・グランド・クルーズ」以来の2回目となる。 ■著書 「世界遺産ビジュアルハンドブック」