朝8時セーヌ川遡上が始まりました。ルーアンまで6時間かかります。両岸は農村風景がほとんどですが、ところどころ白い崖が見えます。河口近くに生まれた画家モネが、この白い壁を描いています。街も現れますが、必ず教会の尖塔が一番高くそびえています。城もいくつか見ることが出来ます。家並みはご覧のとおり、きれいです。 教会の近くにビクトル・ユーゴーの生家があると船長の船内放送がありました。セーヌ川は蛇行を繰り返していますので、飛鳥IIは船体をわずかに外側に傾けてカーブを曲がって行きます。橋もいくつか潜り、ルーアンが近づいてくる頃、沿岸に10数キロ続く工場地帯が出現します。大きな穀物サイロもたくさん見えます。 ルーアンは観光地であると同時にノルマンディー地方の工業と流通の中心地であることが分かります。6時間の遡上ドラマは終わり、予定どおりルーアンに到着しました。
著者紹介 水島 和實 東北大学卒業。会社員を定年退職後に写真を撮り始め、桜、紅葉、滝などの風景を中心に撮影。2002年世界一周クルーズ、2003年アジアグランドクルーズ、2004年ハワイ・アラスカグランドクルーズ、2005年オセアニアグランドクルーズ、2006年アジアグランドクルーズ、2007年オセアニアグランドクルーズ、2008年世界一周クルーズ、2010年アジアグランドクルーズに「飛鳥II」写真教室講師として乗船。 本フォトエッセイの連載は今回で7回目となる。 ■写真集/ ■その他/ 「滝 永遠との出会い」 「ワンダーフォト」主催 ラビー八重洲写真教室講師