お客様最後の共同作業は巨大な絵の制作。お題は「飛鳥II」。それぞれがイメージする飛鳥IIをまとめ上げ、ひとつのパネルに表現する大仕事です。わいわいと楽しみながらもしっかり時間内に絵は完成。太陽がふたつ描かれているのはご愛嬌として、ともあれ制作者全員のサインの入った完成品は、このあとアスカプラザに飾られることになります。
昼食後、12デッキに出向いてぼんやりと東京湾景を眺めていると、凪いだ静寂の隙間からブラスバンドの音色が響いてきました。さあ、いよいよ終わりのとき。感傷に浸るのはもう少し後にして、いまはただ無事の帰還をみなで祝って喜びを分かち合いたいと、ぐっと心を奮い立たせて宴に沸くプロムナードデッキへ駆けつけます。
目の前の大さん橋では大勢の方々が私たちの到着を待ってくれていました。出発の日にも見た、似たような景色。それでも少しだけ異なって見えるのは、風景が変わったからか、あるいはそれを見る私たちが変わったのか。みんなで声を合わせて「ただいま!」と叫ぶと、その言葉につられてようやく帰国の実感と安堵感とが湧いてくるのでした。
これにて2019年 アジアグランドクルーズは大団円。いつかまた船上で再会できる日を願ってしばしのお別れです。最後までフォトエッセイをご覧いただきまして、どうもありがとうございました!