飛鳥IIは引き続きオーストラリア東岸を回り込むようにして南へ向かっています。晴れたり曇ったり、時には通り雨に出逢ったり、変わりやすい天気の一日でした。午後4時ごろには世界自然遺産の砂の島「フレーザー島」を左舷に望むようになりました。 逆光に霞む島影はモノクロームの世界でしたが、銀色に輝く海面とデッキに並ぶ船客の皆さんのシルエットが美しく、後ろ姿をそっと撮らせて頂きました。夕焼けも、きょうはなかなか素敵でした。 晩のコンサートはピアノのパノス・カランさん。なんと45分中30分が「クルーズ史上おそらく初」だというショパンのエチュード12曲のノンストップ演奏。変化に富んだ“超”難曲続きのピアノの調べは、本当に素晴らしかったです。曲間の無音も神々しさを感じるほど。まさにピアノに酔いしれた素敵な一夜となりました。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年ワールドクルーズより飛鳥IIの写真教室講師を務め、以後毎年ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。