イスタンブールは、かって東西を結ぶ「絹の道」と「香料の道」、陸路と海路の帰結点であった。絹織物、陶磁器、香辛料などを運ぶ隊商と船が行き交った。当然、それら商品を交易する商業施設も充実していっただろう。 イスタンブールのグランドバザールは、そうした交易の歴史を体現している。屋根つきの市場としては中東最大だそうだ。4000軒余の商店が立ち並ぶ。人ひとひとである。宝石店のショウウインドウには、宝石や金細工が飾られ、観光客は足を止める。
著者紹介 小泉 澄夫 1934年生まれ。写真家、日本写真芸術学会会員、世界遺産フォーラム主宰。 「日本人の心」をテーマに風景写真を30年以上撮り続けている。ここ15年は、ヨーロッパ・北米大陸・中国を中心に世界各地の世界遺産の写真撮影や、講演活動、執筆活動を行っている。本フォトエッセイの連載は「2008年オセアニア・グランド・クルーズ」以来の2回目となる。 ■著書 「世界遺産ビジュアルハンドブック」