ロングクルーズは旅立って数日が過ぎると、船内の空気が次第に「華やか」から「穏やか」の方向へと変わる気がします。どなたもスーツケースや段ボールにいっぱいの荷物を自室に解いて、束の間の我が家を作り上げた頃でしょう。初乗船の方も慣れた方も、思い思いに船内の「我が居場所」へと向かい始めるのです。 筆者が足を運んだのは11デッキ前方のビスタラウンジ(写真上)。特に晴れ渡った日中は眺めも抜群の特等席です。先にいらしたお客様も「やっぱりここよね」という感じで、楽しくご一緒させて頂きました。 それから7デッキの屋外もいいですね。ここは船をぐるっと一周できるようになっていますから、朝夕のウォーキングを既に日課にされている方も多いに違いありません。夕暮れ時にその7デッキの船尾に出てみたら、西の空がきれいに赤く染まっていました。きょうもまた、素敵な1日になりました。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年ワールドクルーズより飛鳥IIの写真教室講師を務め、以後毎年ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。