「ファド」はポルトガル独特の歌で哀調を帯びた民衆歌謡。こぶしを利かせた歌いまわしは、中近東の音楽の影響があるといわれます。日本の歌謡曲など近い歌です。 夜しかオープンしない会場を、昼間に貸切って、飛鳥Ⅱのお客様だけで聞くことが出来ました。70人ほどで一杯になった会場は、窓が1箇所あるだけで、中は薄暗く所々小さな赤い電球が点っているだけです。ストロボ撮影もできるのですが、ファド撮影には、ストロボは使用しないほうが良いと思い、自然光だけで撮影しました。 アマリアロドリゲスという歌手が伝説的に有名で、この人の主演した映画を見た記憶があります。哀調を含んだ歌と暗い画面が印象的でした。「過去を持つ愛情です」とガイドさんが話してくれました。歌もギターもすばらしく、ポルトガル人の心の底に宿る心情に少しは触れられたような気がしました。
著者紹介 水島 和實 東北大学卒業。会社員を定年退職後に写真を撮り始め、桜、紅葉、滝などの風景を中心に撮影。2002年世界一周クルーズ、2003年アジアグランドクルーズ、2004年ハワイ・アラスカグランドクルーズ、2005年オセアニアグランドクルーズ、2006年アジアグランドクルーズ、2007年オセアニアグランドクルーズ、2008年世界一周クルーズ、2010年アジアグランドクルーズに「飛鳥II」写真教室講師として乗船。 本フォトエッセイの連載は今回で7回目となる。 ■写真集/ ■その他/ 「滝 永遠との出会い」 「ワンダーフォト」主催 ラビー八重洲写真教室講師