ホニングスボーグからバスで40分走ります。島の高いところを越えて行くので、バスからの眺めも美しいシーンがたくさんあります。トナカイも何度も見かけることが出来ます。 この道路が出来たのは20世紀半ばで、最近のことです。それまでノールカップは絶壁を登るしかなく、観光客が訪れることはありませんでした。北緯71度10分21秒の地点がノールカップです。北極点から2,100Kmにあり、ヨーロッパ最北端の地として、307mの大絶壁が海に屹立しています。 絶壁の先端に地球儀のモニュメントが建っていて、そこが写真撮影ポイントです。少し離れた地点で、大絶壁と海を同時に見るのがノールカップの醍醐味と思い、柵の一番遠いところまで行ってみました。しかしながら、307mの絶壁が海から立ち上がるのを見ることが出来ませんでした。307mはそれほどに大きな壁でした。 出港後、飛鳥IIはこのノールカップの絶壁を下から見るように航走しました。絶壁の前まで来たとき、そこで360度回転しました。右舷の人も見えるようにという船長の配慮です。大絶壁は夕日に美しく輝いていました。
著者紹介 水島 和實 東北大学卒業。会社員を定年退職後に写真を撮り始め、桜、紅葉、滝などの風景を中心に撮影。2002年世界一周クルーズ、2003年アジアグランドクルーズ、2004年ハワイ・アラスカグランドクルーズ、2005年オセアニアグランドクルーズ、2006年アジアグランドクルーズ、2007年オセアニアグランドクルーズ、2008年世界一周クルーズ、2010年アジアグランドクルーズに「飛鳥II」写真教室講師として乗船。 本フォトエッセイの連載は今回で7回目となる。 ■写真集/ ■その他/ 「滝 永遠との出会い」 「ワンダーフォト」主催 ラビー八重洲写真教室講師