飛鳥Ⅱの周囲を何隻もの貨物船が通り過ぎる。 ゆるい曲線を描く水平線上に巨大な入道雲が立ちあがって雄大な眺めである。いくつかの入道雲の下にスコールの影が、カーテンのようにひろがっている。横浜出港から悪天候と曇り、雨の日が多かったので、気持ちがいい。 夕方6時から8時までは、アジアンデッキディナー。 プールのまわりにずらりと、さまざまなアジア風のご馳走とフルーツ、シャンパンやワイン、ジュースなどのフリードリンクが用意されて、自分の好きなものを好きなだけいただける。海風にあたりながらの夕食、船上ならではの至福。 前方右舷側に沈む太陽が、黄金色から赤味を増したピンク色へと、周囲の空を染めていく。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員